今回はちょうどお問い合わせがあった少額資産等についてご案内させて頂きます。
基本的な内容ではあるので、経営者の皆様や経理担当の方など、詳しくご存知の方も多いかと思いますが、資産計上か費用処理か、金額等含め改めて整理して頂ければと思います。
「事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
?減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。」
国税庁のサイトに記載されている減価償却資産の内容です。
減価償却を簡単に言うと、購入した時に全額費用にするのではなく、その資産の使用可能な期間で少しずつ費用にしていくという事です。
これを前提として、ポイントを押さえて頂くためには、まず下記をご理解下さい。
法人が取得し、使用を開始した10万円未満又は使用期間が1年未満の資産は、経理処理上で資産計上せずに、費用にする事ができます。(少額資産)
中小企業(資本金1億円以下の法人)では30万円未満の資産も資産計上せずに費用(消耗品費等)にする事ができます。
但し合計額が事業年度で300万円に達するまでが限度です。
例えば18万円の資産17個を1事業年度で事業の用に供した場合、16個までの288万円は費用にできますが、残り1個の18万円は資産計上する必要が有ります。
これは措置法償却と言い、決算申告書別表に明細を記載する必要が有ります。
租税特別措置法という時限立法に基づく処理ですが、今のところこの規定は延長され続けています。
もう一つ、10万円以上20万円未満の資産に関する規定も有りまして、3年間で均等償却する事ができます。
同様の資産はまとめて均等償却するので、これは一括償却資産と呼ばれます。
上記の例でいうと、残りの18万円を3年間の均等償却できるので、仮に耐用年数が4年等の資産であっても、3年で償却できます。
この規定は月割りはしないので、期末に取得しても1/3が減価償却費です。
18万円の資産であれば、6万円の減価償却費が3年間計上されます。
但し、翌年に除却等したとしても、3年間で償却する必要が有ります。
この例の18万円の資産の耐用年数や期中のいつ使用開始したかで、通常に資産計上して減価償却した方が良いか、一括償却資産として3年均等償却した方が良いか、判断する事になると思います。
なお、上記金額の判定は全て、その法人が税抜経理している場合は消費税抜きの金額で、税込経理している場合は消費税込の金額で判定されます。
今回のような資産計上の判定においては税抜経理を採用しておいた方が有利と言えます。
参考)国税庁HP
減価償却のあらまし
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2100.htm
少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5403.htm
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5408.htm
もちろん経営者の皆様や経理担当者の方々が全て正確にご理解頂く必要はないと思います。
10万円未満と、30万円未満(300万限度)程度を抑えて頂ければ、十分ではないかと思います。
ご不明な点がございましたらアルファ税理士法人にお問い合わせください。
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